情報セキュリティマネジメント試験の難易度や基本情報技術者試験との違いについて解説!
ビジネス業界ではDXが注目されていることもあり、IT化・情報化が進む社会のなかで労働者もITスキルの習得が求められています。
IT業界にはさまざまな資格がありますが、未経験者にとってはハードルが高く感じられるものです。
そこで、そのような方にぜひおすすめしたいのが「情報セキュリティマネジメント試験」です。
今回は、IT初心者の方でも合格が狙える情報セキュリティマネジメント試験の概要や、ほかのIT系資格との違い、気になる難易度や学習時間の目安なども合わせて紹介します。
情報セキュリティマネジメント試験とは
情報セキュリティマネジメント試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している国家資格です。
サイバー攻撃の脅威から組織を守るために、情報セキュリティに関する正しい知識が身についていることを証明できます。
IPAが実施している試験にはさまざまな種類がありますが、情報セキュリティマネジメント試験は2016年春期からスタートしたもので、比較的新しい試験に位置づけられます。
試験は午前90分、午後90分の合計180分で構成され、午前問題は四肢択一式の50問、午後問題は多肢選択式の問題が3問出題されます。
午前・午後問題ともにCBT(Computer Based Testing)方式で行われ、全国にある約100か所の試験会場に予約をしておけば、通年での受験が可能です。
ただし、身体の不自由な方など、何らかの理由でコンピュータによる受験ができない場合には、毎年4月と10月の2回、筆記試験の受験も可能です。
なお、情報セキュリティマネジメント試験の受験手数料は税込7,500円となっています。
ITパスポートや基本情報技術者試験との違いは?
IPAが実施している試験のなかで、特にメジャーなのが「ITパスポート試験」と「基本情報技術者試験」です。
IT関連の業務に従事している方はもちろんのこと、それ以外の部署でもこれらの資格取得を求められたという経験がある方も多いのではないでしょうか。
ITパスポート試験とは、ITに関する基礎的な知識やスキルを問う問題であるとともに、経営戦略や労務、業務プロセスに関することなど、ビジネスの現場で求められるIT以外の基礎知識も出題されます。
そのため、業種にかかわらずITを利活用するビジネスパーソンを対象とした試験といえるでしょう。
基本情報技術者試験は、ITパスポートの範囲に加えてIT関連の基礎知識全般が出題される試験です。
コンピュータシステムの基礎やセキュリティ、プロジェクトマネジメント、システム戦略など、さらに突っ込んだ内容の問題が出題されるほか、午後問題ではプログラミングの基礎知識を問う問題も出題されます。
基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門とよばれることも多く、プログラマーやSEとして入社した新入社員が受験するケースも少なくありません。
情報セキュリティマネジメント試験はITパスポートと同様、ITを利活用するビジネスパーソンを対象とした試験といえます。
ただし、情報セキュリティという特定の分野に特化した試験であることから、総務部門や情報システム部門など、社員のIT環境を整備しシステムの利活用を推進する立場にあるビジネスパーソンにおすすめの試験といえるでしょう。
◆IT初心者におすすめのITパスポート試験の難易度は?【国家資格】
◆基本情報技術者試験の難易度や合格率|ITパスポートとの違いや2023年からの変更点は?
情報セキュリティマネジメント試験の難易度は?
IPAが実施しているさまざまな国家試験のなかでも、情報セキュリティマネジメント試験の難易度は比較的低い傾向にあります。
上記でも紹介したとおり、ITパスポート試験および情報セキュリティマネジメント試験は、ITを活用するビジネスパーソンを対象としており、ITエンジニアを対象とした基本情報技術者試験などの試験とは異なります。
そのため、情報セキュリティマネジメント試験の難易度は基本情報技術者試験よりも下であり、ITパスポート試験と同程度と考えて良いでしょう。
すでにITパスポート試験を取得済みの方は、しっかりと試験対策をしていれば十分合格が狙えるはずです。
情報セキュリティマネジメント試験の合格点・合格率
情報セキュリティマネジメント試験は午前・午後問題があると紹介しましたが、合格点はともに100点満点中60点が基準点と定められています。
ただし、これはあくまでも基準点であり、IPAでは試験で出題された問題の難易差が認められた場合、基準点が変更される場合があるともしています。
そのため、自己採点の結果、60点に満たない場合でも合格になるケースがあるほか、その反対もあり得るということです。
また、IPAでは実施年度ごとに各試験の統計調査結果も発表しています。
それによると、情報セキュリティマネジメント試験の合格率は毎年50%前後で推移しています。
ちなみに、基本情報技術者試験の合格率は25〜40%、ITパスポート試験の合格率は50〜60%程度で推移しています。
情報セキュリティマネジメント試験を取得するメリット
IT業界にはさまざまな種類の資格がありますが、そのなかで情報セキュリティマネジメント試験を取得するメリットは何があるのでしょうか。3つのポイントをもとに紹介します。
①就職や転職に活かせる
就職活動を行っている学生はもちろんですが、転職を検討している社会人の方にとっても情報セキュリティマネジメント試験は大きな武器となります。
そもそもIT業界では、弁護士や医師のように必須となる資格・免許は存在しません。
しかし、だからこそ候補者のスキルがわかりにくく、客観的な判断に迷うことも多いのです。
情報セキュリティマネジメント試験に合格していれば、情報セキュリティに関する正しい知識が備わっていることを証明でき、課やチームのセキュリティ対策担当者として活躍することも期待されるでしょう。
◆基本情報技術者の資格を持っていると誰から評価される?就職・転職にも有利なのか解説!
②IT人材としてキャリアアップが狙える
転職をする予定はないものの、今後自社でキャリアアップを目指している方も多いことでしょう。そこで重要となるのが専門性を身につけることです。
たとえば、管理職になるためにはマネジメントのスキルが不可欠であり、エンジニアのような専門職として成長していくためには技術的な知見や実務経験が不可欠です。
専門性を身につけることは手に職をもつことも意味し、仮に将来ほかの会社へ転職をする際にも大きな武器になるでしょう。
情報セキュリティマネジメント試験に合格することで、IT分野における専門性をアピールできるほか、キャリアアップのために努力する姿勢が評価される場合もあります。
◆参考にすべきDX(デジタルトランスフォーメーション)の事例11選とDX化に必要なこと
③次のレベルの資格取得に向けた自信につながる
情報セキュリティマネジメント試験は、IPAが実施している試験のなかでも比較的難易度が低い傾向にあります。
しかし、試験に合格するためにはそれなりの勉強と試験対策が必要であることも事実です。
たとえ難易度が低い試験であったとしても、国家資格に合格できれば自信につながることは間違いありません。
たとえば、IPAの試験のなかでもネットワークスペシャリスト試験やITストラテジスト試験などは、高度な知識・技能が要求される人材を対象とした試験であり、未経験者が合格することは難しいものです。
しかし、まずは情報セキュリティマネジメント試験に合格し、その次に基本情報技術者試験、応用情報技術者試験とステップアップしていくことで、上位資格の取得も夢ではなくなるでしょう。
◆応用情報技術者試験とは?基本情報技術者試験との違いや試験の難易度について
情報セキュリティマネジメント試験合格に必要な勉強時間
情報セキュリティマネジメント試験に合格するためには、一般的に200時間程度の勉強時間が必要といわれています。
しかし、もともとIT業界で従事している方の場合、基礎的なIT分野の知識は備わっていることも多く、難易度が高いという事もないので、200時間以下の学習時間で合格できる場合もあるでしょう。
反対に、IT業界が未経験で一切の知識がない方は、テキストの内容を理解するまでに時間を要し、200時間以上の勉強時間を確保しないと合格が難しいケースも考えられます。
情報セキュリティマネジメント試験を含むIPAの試験対策としては、テキストを一通り読み終えた後はひたすら過去問題を解き、試験に慣れることが重要です。
そして、過去問題を解き終えた後に不正解となった問題を確認し、正しい知識を補完していきます。
学校や仕事で十分な勉強時間が確保できない場合には、スキマ時間などを活用しながら「1回開催分の午前問題または午後問題を解く」など、1日あたりのノルマを決めて取り組むのもおすすめです。
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さらに、メンターによる個別サポートのサービスも提供しているため、挫折しそうになったり、点数が伸び悩んだりした際にさまざまなアドバイスを受けることも可能です。
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まとめ
情報セキュリティマネジメント試験は毎年50%前後の合格率で推移しており、IT系資格のなかでも難易度が低めです。
そのため、就職・転職活動やキャリアアップの第一歩としておすすめであることはもちろん、上位資格を目指すうえでの入門用資格としても最適です。
合格できるか不安な方や、試験範囲を効率的・体系的に学習したいと考える方は、全国どこからでもオンラインで受講可能なJ Career Schoolの活用もぜひ検討してみてください。
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