基本情報技術者試験の難易度や合格率|ITパスポートとの違いや2023年からの変更点

資格

IT業界ではさまざまな資格がありますが、特に日本において有名なのが国家資格でもある基本情報技術者試験です。

 

受験した経験がない方であっても、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、基本情報技術者試験ではどのような問題が出題されるのか、試験の難易度はどの程度なのか分からず、不安に感じている方も多いはずです。

 

そこで今回の記事では、これから基本情報技術者の資格取得を考えている方に向けて、試験の概要や合格までに必要なことを解説します。

基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営している国家資格のひとつで、ITに関する基礎的な知識を習得するとともに、プログラミングに不可欠な論理的思考力をもっていることを証明するものです。

ITエンジニアにとって登竜門ともいえる資格であり、取らせたい資格として新卒社員や若手社員を対象に受験させている企業も少なくありません。

基本情報技術者試験に必要な受験資格はなく、プログラマーやSEを目指している方はもちろんのこと、スキルアップのためにITに関する基礎知識を身につけたい方、IT業界への就職を目指す学生まで幅広い層が受験しています。

ITパスポートとの違い

同じくIPAが運営しているIT関連の入門資格として「ITパスポート試験」があります。

基本情報技術者試験の試験の出題範囲にはプログラミングやコンピュータサイエンスといった内容も含まれますが、ITパスポート試験には含まれていません。

その代わり、経営戦略やマーケティング、法務といった経営に関わる知識や、プロジェクトマネジメントなどの知識を問う内容が出題される傾向にあります。

さらに分かりやすくいえば、基本情報技術者試験はシステムの構築や開発に関する知識が問われるのに対し、ITパスポートではシステムを利活用する側の知識が問われることになります。

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基本情報技術者試験を取得するメリット

IT業界では弁護士や税理士、医師といったように、特定の資格・免許をもっていなければ従事できない仕事はありません。

たとえ一切の資格をもっていなくても、十分な知識や実務経験があれば活躍できます。

また、「基本情報技術者試験の資格を取得しても意味ない、実務経験の方が大切」と考える方もいるのではないでしょうか?

しかし、これからITエンジニアとしてIT業界に就職や転職を検討している方にとって、自分自身のスキルを証明するのは簡単なことではありません。

特に社会人経験のない新卒者や、IT業界が未経験の転職希望者にとって、未経験からIT業界の第一線で活躍していくことは難しいでしょう。

そこで、客観的にIT関連のスキルを証明する方法として基本情報技術者試験の取得がおすすめです。

資格をもっているからといって確実に就職や転職できるとは限りませんが、少なくともITに関する基礎的な知識は身についていることが証明されるため、勉強熱心でIT業界で働きたいという意欲やアピールに繋がりますし、就職活動や転職活動に有利にはたらくことは間違いないでしょう。

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基本情報技術者試験の難易度と合格率

これから基本情報技術者試験に挑戦しようと考えている方にとって、気になるのは試験の難易度ではないでしょうか。

IT関連の知識がなく、プログラミング経験もない方にとってはハードルが高く、難しく感じられるかもしれません。

基本情報技術者試験の受験者数は毎年増加傾向にあり、ここ数年は10万人以上が受験しています。

また、気になる合格率は例年25%前後で推移しています。

ITパスポート試験の合格率は約50%程度であることを考えると、基本情報技術者試験の難易度はそれなりに高く、プログラミング初心者にとっては難しい試験といえます。

しかし、毎年10万人以上が受験する人気資格であるだけに、基本情報技術者試験の参考書や過去問題集は数多く販売されており、教材に困ることはないでしょう。

実際にIT業界未経験で受験し合格している方も多く、しっかりと試験対策を行っていれば初心者でも十分合格が狙えるはずです。

応用情報技術者試験とは?基本情報技術者試験との違いや試験の難易度について

基本情報技術者試験の合格までに必要な勉強時間

決して簡単とはいえない基本情報技術者試験ですが、難易度や合格率以外にも「どの程度の勉強時間を確保すれば良いのか?」、「初心者にとっては難しすぎるのではないか」と不安に感じている方も多いでしょう。

まず、IT関連の資格をすでに持っている方や、IT関連の仕事に従事している方、学校でIT関連の学習を積んできた方と、まったくの初心者を比較した場合、当然のことながら必要な勉強時間は異なります。

IT関連の知識がゼロの初心者の場合、実際に合格した方の声を聞いてみると、およそ200時間以上の勉強時間を費やしているようです。

仮に1日あたり2時間の勉強をした場合は3ヶ月以上、3時間の勉強時間を確保した場合は2ヶ月以上という計算になります。

IT初心者や文系の人がITパスポート試験に1回で合格するために必要な勉強時間について

試験の方式:基本情報技術者試験は2023年4月から通年化・変更点

これまで基本情報技術者試験は、全国の限られた試験会場で筆記試験によって実施されてきました。

しかし、毎年10万人以上の受験者がおりIPAが実施する試験のなかでも特に需要が高いことと、新型コロナウイルスの感染を防止するために少人数での受験が求められている背景などから、2020年12月からCBT方式による試験に変更されています。

CBT方式とはコンピューターを用いて試験を行う方式のことを意味します。

CBT方式により、試験終了後、すぐに得点結果および試験結果がわかるようになっていますが、この結果は基本情報技術者試験の合否判定ではありません。

正式な合格発表については、午後試験を受験した月の翌月末にIPAのホームページ上にて掲載されることになっています。

これに加えて、IPAではさらなる利便性向上を目指し、従来は年2回の開催であった基本情報技術者試験を通年実施へ変更することを発表しました。

つまり、2023年4月からは受験者の都合に合わせて任意の日程で受験できるようになります。

IT関連の資格のなかでも民間が運営しているベンダー資格は通年実施のものが多く、基本情報技術者試験も受験者のニーズに応えて受験日程が変更されることとなりました。

基本情報技術者試験の変更点

【2022年6月時点】

<午前試験>

  • 試験時間:150分
  • 出題数:80問
  • 出題範囲:ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系

<午後試験>

  • 試験時間:150分
  • 出題数:大問11問から必須2問を含んだ5問選択
  • 出題範囲:情報セキュリティ、データベース、ネットワーク、システム戦略、データ構造およびアルゴリズム、個別プログラミング言語

<合格点・合格基準>

午前試験、午後試験どちらも100点満点中60点以上。

【2023年4月以降】

<科目A試験>

  • 試験時間:90分
  • 出題数:60問
  • 出題範囲:午前試験から変更なし

<科目B試験>

  • 試験時間:100分
  • 出題数:20問
  • 出題範囲:情報セキュリティ、データ構造およびアルゴリズム、プログラミング

<合格点・合格基準>

IRT方式(1問ごとの配点基準がなく、受験回ごとの解答結果によって配点を算出)

おすすめの勉強方法と対策について

基本情報技術者試験に最短で合格するためには、どのような勉強方法や対策が有効なのでしょうか。

資格を取得するためにかけられる予算や時間によっても勉強方法はさまざまですが、今回は代表的な2つの方法を紹介します。

①独学

1つ目の方法は独学です。

書店には基本情報技術者試験の参考書や過去問題集が数多く販売されており、これらを繰り返し学習するだけでも十分合格は狙えるでしょう。

また、本を読むのが苦手な方は、インターネットで過去問題を無料公開しているサイトを参考にしてみるのもおすすめです。

たとえば、「基本情報技術者試験ドットコム」では、過去10年以上にわたる過去問題を公開しているほか、それぞれの問題に対応した解説も掲載しています。

まずは過去問題を繰り返し解きながら、理解できなかった問題は解説文を読みながら進めていくことで効率的な学習ができるでしょう。

基本情報技術者試験は参考書の内容をくまなく理解するよりも、できるだけ多くの過去問題を解いて実践力を高めるのが合格への近道でもあります。

参考書を一通り読んだ後は、ひたすら過去問題に挑戦し、解説文を読んでも理解できない問題は参考書で補足するといった方法がおすすめです。

②オンラインスクールでの学習

2つ目の方法はオンラインスクールで学習する方法です。

参考書やインターネットのサイトに掲載されている内容が難しく理解できなかったり、分かりやすい言葉で噛み砕いて教えてほしい場合におすすめの学習方法といえます。

また、プログラミング学習の理解を深めるためにもオンラインスクールはおすすめです。

基本情報技術者試験にはCやJavaといったプログラミングに関する問題も出題されます。

一からコードを組み立てるという問題ではなく、主に穴埋め問題のため高度なプログラミング知識は不要ですが、基礎的な内容は押さえておく必要があります。

しかし、初心者にとってプログラミングと聞くと”すごい難しい”イメージがあり、実際にアルファベットや記号の羅列を読んでも内容が理解できないことも多いでしょう。

オンラインスクールであれば専門の講師が初心者にも分かりやすいように丁寧に解説してくれるほか、理解できるまでマンツーマンで説明を受けることもできます。

過去に独学で挑戦してみたものの、理解が進まずに受験に失敗した経験がある方は、一度オンラインスクールを活用してみるのも良いかもしれません。

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さまざまなビジネススキルを習得できるオンラインスクール「J Career School」では、「基本情報技術者試験」に対応した講座「イチから学べる基本情報技術者対策講座」を開設しています。

また、資格取得を前提とした講座ですので、社会人の方でも限られた時間のなかで効率的に学習を進められます。

効率的な試験勉強のコツから丁寧な出題ポイントの解説・豊富な練習問題まで、隙間時間にも効果的に学べます。

過去問は公式サイトなどで無料で公開されており、問題演習に関しては誰でも行うことができますが、理論を理解することは簡単ではありません。

この講座はそういった理解が必要な部分についてもわかりやすく解説しています。

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講師の先生や個別サポートもあり、わからないところがあれば質問し放題なので、納得がいくまで学習と試験対策を進めることができます。

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まとめ

IT関連の資格のなかでも、特に需要が高く毎年多くの受験者が挑戦している基本情報技術者試験。

ITエンジニアの登竜門とされているだけに、これからプログラマーやSEを目指す方にとってはぜひ取得しておきたい資格のひとつです。

IT業界への就職・転職を希望している方にとっては、大きな武器になることでしょう。

試験の難易度は決して低くありませんが、初心者でも独学で十分合格が狙える試験でもあります。

できるだけ多くの過去問題に挑戦し、試験に慣れておくことで合格に近づけられるはずです。

また、2023年からは従来の年2回の実施から、通年化されることも決まっているため、チャレンジできる機会も増えると期待されます。

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