応用情報技術者試験とは?基本情報技術者試験との違いや試験の難易度について

資格

IT業界では人手不足が続いており、高度なスキルをもった人材はさまざまな企業において高い需要があります。

 

日本では独立行政法人情報処理推進機構(IPA)という団体がさまざまなIT関連試験を運用しています。

 

そのなかでも上位資格へのステップアップに有効とされているのが応用情報技術者試験です。

 

本記事では、そもそも応用情報技術者試験とはどういった試験なのか、試験に合格することでどのようなメリットが得られるのか、試験の難易度や目安となる勉強時間についても紹介します。

応用情報技術者試験とはどんな試験?

応用情報技術者試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営している国家資格で、毎年4月と10月の2回実施されています。

IPAが実施する情報処理技術者試験の中には、ITストラテジスト試験やシステムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験などがありますが、これらは高度試験に位置づけられます。

応用情報技術者試験は、高度試験へのステップアップにつながる応用的知識や技能を問う試験といえます。

具体的には、ITスキルはもちろんのこと、企業の経営戦略や情報戦略を理解したうえでどのようにIT技術を活用すべきかを提案できるビジネススキルも要求されます。

また、システム開発においてプロジェクト内の各チームと連携し、プロジェクトリーダーや経営層の方針を理解しながら、技術的な問題解決を図れるほどのスキルも求められます。

応用情報技術者試験には特別な受験資格はありませんが、プログラマーやSE、その他IT技術関連の業務を行っているエンジニアが多く受験しています。

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応用情報技術者試験の出題内容

応用情報技術者試験は、午前問題と午後問題が出題され、試験時間はそれぞれ150分となっています。

午前問題は四肢択一問題が80問、午後問題は記述式問題が11問出題されます。

試験範囲はITパスポートや基本情報技術者試験と同様、テクノロジ系とマネジメント系、ストラテジ系の3つに分類されますが、以下に示す通り専門的・応用的な知識を問う問題が中心となっています。

  • テクノロジ系:基礎理論,コンピュータシステム,技術要素(データベース、ネットワーク、セキュリティなど),開発技術
  • マネジメント系:プロジェクトマネジメント,サービスマネジメント
  • ストラテジ系:システム戦略,経営戦略,企業と法務

午前・午後問題ともに100点満点中60点が基準点となっていますが、試験結果によって基準点の変更が行われる場合があります。

そのため、必ずしも60点以上が合格するとは限らないため注意が必要です。

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基本情報技術者試験との違い

IPAでは応用情報技術者試験以外にもさまざまなIT系の試験を運営しています。

ITパスポート試験を入門として、次のステップとして基本情報技術者試験に挑戦する方も少なくありません。

難易度としては、応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の次に難しい試験といえるでしょう。

たとえば、プログラマーやSEとして一定のスキルがあれば、はじめから応用情報技術者試験に挑戦するのも良いでしょう。

しかし、IT業界が未経験でプログラミングの知識や実務経験がゼロの場合には、応用情報技術者試験は難易度が高すぎて挫折する可能性があります。

そのため、まずはITパスポート、そして基本情報技術者試験とステップアップしながら挑戦してみるのがおすすめです。

◆基本情報技術者試験の難易度や合格率は?|ITパスポートとの違いについても

応用情報技術者試験に合格するメリット

IT業界への就職、転職においては、「この資格をもっていなければ業務ができない」といった条件はありません。

それにもかかわらず、応用情報技術者試験に挑戦するエンジニアが多いのはなぜなのでしょうか。

主な理由としては、年収アップにつながる可能性があるためです。

企業によってはさまざまな資格を取得した社員に対して手当を支給するところも多く、比較的難易度の高い応用情報技術者試験に合格することで、収入アップが期待できるのです。

また、自信のキャリアアップのために転職活動をするITエンジニアも少なくありません。

実務経験だけでなく、応用情報技術者試験のような資格をもっていれば、客観的にスキルを証明でき、転職活動を有利に進めることができるのです。

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応用情報技術者試験の合格率

IPAでは各試験の合格率を毎年実施回ごとに公開しています。

直近の2022年春期のデータを見てみると、応用情報技術者試験の受験者数は3万2,189人、そのうち合格者は7,827人となっており、合格率は24.3%でした。

実施回ごとに合格率は多少変動しているものの、過去10年以上の統計情報を見てみると、およそ20〜25%前後で推移していることがわかります。

ちなみに、基本情報技術者試験の合格率は2020年以降40〜50%台で推移しているほか、ITパスポートの合格率も50%前後となっています。

以上のことからも、応用情報技術者試験の難易度の高さが実感できるのではないでしょうか。

◆IT初心者や文系の人がITパスポート試験に1回で合格するために必要な勉強時間について

応用情報技術者試験の合格に必要な勉強時間

これから応用情報技術者試験の受験を検討している方のなかには、どの程度の勉強時間を確保すれば合格できるのか疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで、IT関連の実務経験や基礎知識がない初心者と、基本情報技術者試験に合格し一定のITスキルをもっている方の2パターンに分け、目安となる勉強時間を紹介します。

IT初心者の場合

IT関連の基礎知識や実務経験がなく、IT系の資格ももっていない初心者の場合、目安となる勉強時間は約500時間以上といわれています。

仮に平日1時間、土日に5時間の勉強時間を確保して継続した場合、8ヶ月以上の時間を要する計算になります。

基本情報技術者試験取得済みの方の場合

すでに基本情報技術者試験を取得し基本的なITスキルが身についている方の場合、約200時間以上の勉強時間が必要といわれています。

応用情報技術者試験の午前問題では基本情報技術者試験と似たような問題が多く出題されることから、比較的対策はしやすいはずです。

一方、午後問題では応用力が問われる内容が多いことから、最短で合格を目指すのであれば午後問題への対策を重点的に行ったほうが良いでしょう。

応用情報技術者試験の午前のみ合格した場合

IPAが運営している情報処理技術者試験のなかには、午前問題が合格ラインに達した場合、次回の試験で午前問題を免除し、午後問題のみを受験できる試験もあります。

しかし、結論からいえば応用情報技術者試験の場合、午前問題のみが合格できていたとしても、次回試験は一部免除とはならず午前・午後両方の試験を受験しなければなりません。

午前問題の免除が可能となるのはITストラテジスト試験やシステムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験などの高度試験のみに限られるため注意しましょう。

ただし、午前問題に合格できたということは、基礎知識については定着しているともいえ、次回試験に向けては午後問題を中心に対策をしておくなどの方向性が見えてくるはずです。

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応用情報技術者試験の申し込み方法

応用情報技術者試験を受験するためには、どのような方法でエントリーすれば良いのでしょうか。

応用情報技術者試験は毎年4月と10月の2回実施されていると紹介しましたが、願書の受付期間は試験日の3ヶ月前、すなわち1月上旬頃から1ヶ月程度、7月上旬頃から1ヶ月程度の間にエントリーしておく必要があります。

申し込みはIPAのWebサイトからインターネットによる受付で、受験料は7,500円です。

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まとめ

応用情報技術者試験は基本情報技術者試験のワンランク上の資格試験であり、IPAが運営している高度試験へのステップアップにも有効です。

合格率は25%前後とハードルは高いですが、社会人にとっては資格手当などによって収入アップにつながる期待もあります。

基本情報技術者試験をすでに取得済みの方は、200時間程度の勉強時間を確保すれば十分合格できる可能性があるため、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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