ITパスポートは就活・転職活動に有利になる国家資格? 活躍できる業界も紹介!
「今よりも年収をアップさせたい」、「就職や転職活動を成功させたい」と考えている方にとって、資格の取得は有効な手段のひとつです。
たとえば、IT系の資格のなかでは「ITパスポート」が定番ですが、本当に資格をとっただけで就職や転職に有利にはたらくのか疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ITパスポートを取得する意味と効果について詳しく解説するとともに、実際に役立つ業種や職種の一例もあわせて紹介します。
ITパスポートの資格取得は就職・転職に意味ある?意味ない?
ITパスポートの受験にあたって、SNSやインターネット上の口コミ情報などを調べてみると、「取っても意味がない」、「就職や転職には役に立たない」といったネガティブな情報を目にすることがあります。
実際のところ、これらの意見は本当なのでしょうか。
ITパスポートという資格の権威性や身につくスキルなども含めて詳しく解説しましょう。
履歴書にも書ける国家資格?
ITパスポートは情報処理推進機構(IPA)が運営する資格であり、IT系資格のなかでも入門的な位置づけにあります。
しかし、IPAが運営する資格はいずれも国家資格であることから、一定の権威性があり、履歴書やエントリーシートには記載することができます。
また、企業によってはITパスポートに合格した社員に対して資格手当などを支給するケースもあるようです。
◆【国家資格だけど合格しやすい】ITパスポート試験の難易度や合格率、必要な勉強時間は?
身につけられるスキルについて
ITパスポートの試験で出題される主な範囲は、「ストラテジ系」、「マネジメント系」、「テクノロジ系」の3つに分類されます。
ストラテジ系では企業法務や経営戦略、システム戦略といった経営に関する問題が、マネジメント系ではプロジェクトマネジメントや開発技術といった部門レベルの問題が出題されます。
そのため、企業で働く社員にとって幅広く求められるビジネス系の知識やスキルを身につけられるでしょう。
また、テクノロジ系では、コンピュータアルゴリズムやプログラミングの基礎、コンピュータのハードウェアおよびソフトウェアの基礎、データベースやセキュリティ分野の基礎問題なども出題されます。
すなわち、ITパスポートという資格を取得することで、ITを活用して日頃の業務をどう効率化していけるか、という知識やノウハウを身につけられるのです。
意味ない人もいる?デメリットをご紹介
上記でも紹介した通り、ITパスポートは日々の業務でITを活用する側を対象に想定されている資格といえます。
反対に考えると、ITを活用する側ではなく、開発する側にとっては必ずしも有利に働かない可能性があることも意味します。
開発する側とは、具体的にプログラマーやSE、プロジェクトマネージャーといったITエンジニア全般を指します。
そもそもITエンジニアになるためには必須の資格というものはなく、一定のスキルや実務経験さえあれば活躍できます。
ITパスポートの出題範囲はITの基礎中の基礎ともいえる内容が中心であるため、ITエンジニアとしての就職や転職には大きな武器とはなり得ない可能性もあるのです。
ITエンジニアを想定した試験としては、ITパスポートよりも上位の基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などがあり、新入社員に対してこれらの資格取得を奨励する企業も少なくありません。
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◆応用情報技術者試験とは?基本情報技術者試験との違いや試験の難易度について
ITパスポートの資格を持っている人が就職・転職する業界
ITパスポートの資格を取得することで、どのような業界への就職・転職が有利になるのでしょうか。
一言でいえば、ITだけでなくあらゆる業界への就職・転職においてプラスにはたらく可能性はあります。
そのなかでも、特に効果が期待される3つの業界の例を紹介しましょう。
製造業界
食品や精密機械、工業製品など、あらゆる製品を製造する現場では自動化が進んでいますが、今後はスマートファクトリー化が進み故障予測や生産管理までもが自動化していくと予想されます。
生産ラインにシステムを導入する場合、システム開発を手掛ける企業担当者とコミュニケーションをとる必要があり、その際には最低限のITスキルや知識が要求されます。
現場のいち担当者として正しく意見を伝えるためにも、ITパスポートレベルの知識は重宝するでしょう。
物流業界
物流業界では効率的な配車管理を実現するために、ITを駆使したシステムが運用されています。
今後はAIやIoTを活用することで、さらに配送効率のアップが期待されますが、そのためには自社にマッチしたシステムを構築する必要があります。
そこで、製造業界と同様、現場の担当者の立場からシステム開発の担当者へ正しく意見を伝えるとともに、提示された要件が自社の要望を満たすものであるかを判断する必要があります。
最低限のITスキルや知識をもっていれば担当者とのコミュニケーションがスムーズに進むため、ITパスポートレベルのスキルをもっている人材は重宝されるはずです。
建設業界
一見するとITとはほど遠いように思われる建設業界ですが、実は工程管理や人員管理などをシステム上で管理している現場は少なくありません。
また、作業に着手する以前の現地調査や測量調査などをドローンなどの最新技術を活用して行うケースも増えており、ITツールを活用できる現場担当者は不可欠な存在になりつつあります。
また、現場以外にも、事業所やオフィス内で作業報告書などを作成することも多く、PCの操作スキルは必要不可欠です。
◆ITパスポートを取得するメリットが大きい人の特徴や取得後にオススメするIT系資格とは?
ITパスポートの資格を持っている人が行う主な仕事内容
ITパスポートはあらゆる業界で働く社会人にとって有益な資格といえますが、同じ会社のなかでもさまざまな職種があります。
そこで、業種という大きな枠ではなく、社員一人ひとりの立場や役割に応じて、どのような職種・仕事内容においてITパスポートが役立つのか解説しましょう。
事務職
事務職では取引先や顧客に対して請求書を作成したり、社内の経費申請の処理を行ったりと、PCを使った作業が多く存在します。
また、取引先や顧客に対してメールでやり取りする場合も多く、基本的なビジネスマナーやビジネススキルも要求されるでしょう。
一見すると簡単で誰にでもできそうな業務内容ではありますが、最低限のITスキルが要求されることから、ITパスポートをもっておけば就職や転職に有利にはたらく可能性があります。
営業職
法人向けの営業職では先方企業の部長クラスや経営層を対象に商談を進めることもあります。
法人営業の基本は、先方の経営課題を正しく認識し、それに対する解決策を提示することですが、そのためには財務やリスクマネジメントといった経営全般に関する最低限の知識が求められます。
ITパスポートをもっていれば、これらのスキルがある程度身についていることを証明でき、就職や転職を有利に進められる可能性もあるでしょう。
◆ITパスポートは独学で取得できるか?通信講座との比較や合格のための勉強方法も解説!<<
ITパスポートの資格を取った人が就職・転職に有利に働いた事例
IPAが公開しているITパスポート試験の特設Webサイトでは、実際にITパスポートに合格した受験者の声が掲載されています。
たとえば、就職活動においてITパスポートの資格が評価され、入社後は経理担当に配属された人や、金融機関の窓口担当者として事務業務や相談業務に従事している人、ソリューション営業担当者として就職活動に成功した人などがおり、ITパスポートの資格が有効に活用できる業種や職種も幅広いことがわかります。
実際に就職活動や転職活動に成功した人の多くが共通して抱いている認識は、どのような業界もITとは何らかの関連性があり、切っても切り離せないものであるということ。
また、ITパスポートを取得できたことでITへの苦手意識が克服されたケースもあるようです。
◆IT初心者や文系の人がITパスポート試験に1回で合格するために必要な勉強時間について<<
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まとめ
今回紹介してきたように、ITパスポートはIPAが運営する資格のなかでも入門的な位置づけにあることから、取得しても意味がないといったネガティブな見方をされることもあります。
しかし、非IT産業とよばれる業種においても、事業の運営にあたってITとは無縁ではいられず、何らかの関わりをもっています。
そのような企業にとって、ITエンジニアのような高度な知識をもった人材とはいかなくても、基礎的なITの知識をもった人材は不可欠な存在です。
そのようなスキルを証明するひとつの方法として、ITパスポートを取得することは十分意義があるものといえるでしょう。
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