【初心者向け】Python(パイソン)で出来るデータ分析・統計解析とは?手順も紹介
AIシステムの開発に用いられることの多いプログラミング言語として「Python」がありますが、じつはデータ分析や統計解析といった分野にも活用できることをご存知でしょうか。
本記事では、そもそもデータ分析や統計解析とは何かを紹介しつつ、Pythonでできることの実例や、データ分析や統計解析の基本的な手順を初心者の方にもわかるように解説します。
データ分析・統計解析とは?
データ分析とは統計解析ともよばれ、その名の通り、さまざまな数値や情報などを収集・整理し、一定の傾向や法則を割り出す作業のことを指します。
たとえば、コンビニエンスストアやスーパーには多くの買い物客が訪れ商品を購入していきますが、どの商品がどの年代・性別に多く購入されているのかを把握するためには売上データを詳細に分析する必要があります。
しかし、POSデータを1件ずつ拾い、手作業で集計するのは手間がかかってしまいます。そこで、コンピュータ上でデータ分析や統計解析を行うことで、スピーディーかつ正確に傾向や法則を導き出せるようになるのです。
また、2020年以降のコロナ禍でもデータ分析や統計解析は注目されるようになりました。
感染症のリスクを少しでも低減するために、密を避ける行動変容が求められるようになりましたが、どの地点にどの程度の人が集まっているのかを示す人流データは重要な指標となります。
携帯電話ユーザーの位置情報をもとにデータ分析や統計解析を行い、人が集中しているポイントを可視化したり、前週・前月に比べてどの程度人が増減したかを割り出したりするために役立てられた事例があります。
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なぜデータ分析・統計解析が求められているのか?
データ分析や統計解析は、主に企業における事業を支える重要なテクノロジーであり、上記で例に挙げた小売店はもちろんのこと業種を問わずさまざまな企業に採用されています。
では、なぜ高度なデータ分析や統計解析のニーズが高まるようになったのでしょうか。その背景には、消費者のニーズが多様化していることとAIやIoTといったテクノロジーの進化が挙げられます。
消費者ニーズの多様化
生活が豊かになった現代において、モノを作れば売れるとは限らず、大量生産の時代から多品種少量生産の時代に移行しています。
企業が生き残っていくためには、高性能・高品質の製品を開発することはもちろんですが、消費者のニーズを的確に見極めたうえで製品を開発しなければなりません。
過去の購買データやSNSでの反応など、さまざまな情報を分析しなければならず、そのためにはデータ分析や統計解析の技術が不可欠といえるのです。
テクノロジーの進化
ビジネス業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されるようになり、IT技術やデジタル技術を活用した業務プロセスの改革が求められています。
たとえば、製造業におけるDX化では、製造ラインにIoT機器を設置のうえわずかな異常を検知し、故障予測に役立てるというものがあります。
また、物流業界では、トラックでの集荷・配送作業をIoT機器によって効率化する方法もあります。
IoT機器から収集されるデータ量は膨大であるため、人の手に頼らなくてもスピーディーかつ正確に情報を分析できるデータ分析や統計解析の技術が要求されます。
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Python(パイソン)がデータ分析・統計解析に向いている理由
コンピュータ上でデータ分析や統計解析を行うためには、用途や目的に応じてプログラムを開発しなければなりません。
一口にプログラミング言語といってもさまざまな種類があり、なかでもデータ分析や統計解析に向いているとされるのがPythonです。
Pythonにはさまざまなライブラリがあるため、これを活用することでデータ分析や統計解析のプログラミングにかかる時間や手間を大幅に節約できるのです。
また、Pythonは多くのプログラマーに人気の高い言語であることから、何らかの課題や問題にぶつかったとしてもコミュニティに質問をすれば解決できる可能性が高いです。
データ分析や統計解析は必ずしもPythonでなければ実現できない、というものではありませんが、ライブラリの豊富さやコミュニティの充実といった安心感から多く用いられる傾向にあるのです。
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データサイエンティストの将来性
Pythonと聞くとAIの開発をイメージする方も多いですが、実際には今回紹介したようなデータ分析や統計解析の分野も得意としています。
AI開発を担う専門職はAIエンジニアとよぶのに対し、データ分析や統計解析を担う専門職はデータサイエンティストとよばれることが一般的です。
では、Pythonのスキルとデータ分析や統計解析のスキルを持ち合わせたデータサイエンティストは、将来性があるといえるのでしょうか。
結論からいえば、データサイエンティストのニーズは今後ますます高まっていく可能性があり、将来性は十分にある職種のひとつです。
冒頭でも紹介した通り、顧客ニーズの多様化の流れは今後も継続していく可能性が高く、マーケティング分野のデータ分析や統計解析はさらに重要視されていくでしょう。
また、DXの実現においてもデータ分析や統計解析は不可欠であり、IT産業だけでなくあらゆる分野でデータサイエンティストのニーズが高まっていくと予想されます。
Python(パイソン)でデータ分析・統計解析をするときの実際の手順
実際にPythonを使ってデータ分析や統計解析を学習する場合、どのような手順で進めていけば良いのでしょうか。
初心者にもわかりやすいように、ライブラリのインストールから基本的な作業手順を紹介しましょう。
ライブラリのインストール
まずはデータ分析に特化したライブラリをインストールしておきます。
ライブラリにはいくつもの種類がありますが、汎用的で使いやすいライブラリとしては「Pandas」や「matplotlib」、「NumPy」などが挙げられます。
コマンドプロンプトまたはターミナルに以下のサンプルコードを入力することでインストールできます。
Pandas
$ pip install numpy
matplotlib
$ pip install matplotlib
NumPy
$ pip install numpy
解決すべき課題を決める
ライブラリのインストールが完了し準備ができたら、データ分析と統計解析の実行手順に移ります。
まずは、データ分析によって何を解決したいのか、目的を明確にすることが重要です。
たとえば、「売上アップを図るために、若年層を取り込める商品をA・B・Cから絞り込みたい」などの実例が考えられます。
データを集める
解決したい課題にあわせて、必要なデータを収集します。
データの収集方法には、広く公開されているオープンデータや統計情報を活用する方法もあれば、自社が独自でもっているデータなどが挙げられ、用途に応じて使い分ける必要があります。
データの前処理を行う
データの前処理とは、分析や統計解析の作業がしやすいように体裁やフォーマットなどを加工したり統一したりすることを指します。
たとえば、数字の全角半角、スペースの有無、カンマの有無、フォントの違いなどが挙げられます。
データの可視化
分析したデータは見やすいようにグラフや表に可視化することが重要です。たとえば、上記のライブラリで挙げた「matplotlib」はグラフ描画ツールの機能が実装されており、簡単にデータの可視化ができます。
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Python(パイソン)でデータ分析・統計解析をできるようになるためには?
ここまで、Pythonを用いたデータ分析の手順について解説しましたが、「これからPythonを学んでデータ分析・統計解析ができるようになりたい」、「将来はデータサイエンティストを目指している」といった方に向けておすすめなのがオンラインスクールを活用した学習方法です。
たとえば、「J Career School」は教室へ通学することなく受講できるオンラインスクールで、無料で受講できる「Python体験講座」では、実際にPCへPythonをインストールし、プログラミングの一部を体験することも可能です。
また、実際にPython資格の合格を目指し「イチから学べるPython基礎講座」と「イチから学べるPythonデータ分析講座」を受講できます。
「イチから学べるPython基礎講座 」はPython3エンジニア認定基礎試験、「イチから学べるPythonデータ分析講座」はPython3エンジニア認定データ分析試験に対応した講座で、分からない部分があれば講師から個別サポートを受けることもできます。
ともに20時間以上のオンデマンドビデオを視聴するカリキュラムで、サブスクリプション型の繰り返し視聴でどこでも、いつでも講師への質問が可能です。
イチから学べる~Pythonデータ分析資格講座~
まとめ
さまざまなデータを収集・整理したうえで、傾向や法則を割り出す作業のことをデータ分析、および統計解析ともよびます。
さまざまなプログラミング言語で処理することができますが、なかでもPythonは豊富なライブラリが揃っておりコミュニティも活発であることから、多くのエンジニアに支持されています。
Pythonをデータ分析や統計解析に役立てる際には、どのような課題を解決したいのかを明確化したうえで、今回紹介した手順を参考に進めてみましょう。
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